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目で聴く「Literary Marh」〜セルフライナーノーツ〜

by paranoidvoid

11月1日に、私たちの1st Full Album「Literary Math」が発売されました。

アルバムに収録した楽曲たちは、もちろん「CDを聞く」という行為それだけで完結するように制作しています。ですが、私たちの曲作りの仕方や音楽との向き合い方など含めて「CDには収録しきれない部分」も当然あるので、せっかくならそのあたりも知ってほしいなと。
そこで、アルバムに対する私たちの想いや主軸曲の解説などを含めたセルフライナーノーツを書くことにしました。
ちょっと長くてマニアックな内容になりますが、ぜひ最後まで読んでください!


コンセプトは「全員主旋律」。バッキングという概念はない。

まず、私たちの曲作りのコンセプトは、「全員主旋律」。ちなみに映画「アウトレイジ」のキャッチコピーは「全員悪人」。

わかりやすく説明しますね。ちょっとCDをコンポにセットしていただいて、4曲目の「スロウハイ」という曲を再生してみてもらえますか?
0:12からのセクションはギターリフが主旋律をとってます。その後、0:27あたりのドラムのフィル「タタタタ」からベースに主旋律を交代、0:43の「ターララタラララ」からまたギターにバトンタッチ、そこからはディレイのギターが主旋律になり、1:01からはドラムが主旋律のメロディーリフに。

こんなかんじで、セクションごとに主旋律を回していっています。主旋律ではないパートも、バッキングという概念でフレーズをつくることはしません。常に互いに対してのアンサーフレーズを奏でるなかで「今は主旋律になる人」「今はちょっと後ろに下がる人」「今はちょっと横にずれる人」という感じで自分の立ち位置を決め、前後左右の奥行き感を出して主旋律を浮き立たせるようにしています。


今アルバムづくりで確立された制作スタイル

パラノイドボイドは結成から4年あまり経ちますが、今アルバムを制作するなかでようやく曲作りのスタイルが確立されたように思います。そして、このやり方が現在の私たちの音楽との向き合い方としてベストなものであるようにも感じています。

曲の成り立ちのイメージは、こんなかんじ↓

ギター・ベース・ドラムが向き合った三角形の真ん中にできるものが「パラノイドボイドの曲」です。声や歌詞は、曲の世界観を補完するものという位置づけで捉えています。

今回のアルバムを聞いて「歌少な!」って思った方は多いと思うんですが、それは最初から歌を減らそうとしたわけではなく、こういったやり方で曲作りをしているがゆえに、歌や歌詞が必要にならなかった・歌や歌詞がなくても曲として成立したケースが多かったからなんです。


アルバムの軸となる5曲について

今作のリードトラックは、1曲目「カルマの犬」と2曲目「泡沫の空、永遠の街」。
そして、リードトラックではないもののアルバムの核となっているのが、3曲目「世界の全ては」、5曲目「正しさの行方」、10曲目「null」だと思います。


M1.カルマの犬

カルマとは「業」とか「人が背負っているもの」という意味、そして「犬」は可愛いワンちゃんの方ではなく「服従する者」の比喩です。

人は誰でも多かれ少なかれ背負うべき過去や問題を抱えていて、そしてそれゆえに抜け出せない日常のループがある。誰もが足りないもの・失ったものを探し求める「不完全」な存在であるけれども、それでもいつだってその瞬間の「完璧」な形として生命を紡いでいる。

言いたいのはこういうことです。

音楽的な部分の解説は、こちら↓に誰が読むねんってぐらい詳細に書いてますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

■MV曲「カルマの犬」フレーズ解説


M2.泡沫の空、永遠の街

3人が同じ「絵」を思い浮かべながら演奏することは、今のパラノイドボイドを成立させる上ですごく大事。それがわかったのがこの曲の制作を通してだったので、この曲は今アルバムにおいてキーとなる存在です。楽器のフレーズで温度感や色味・匂いなどを表現し、ストーリー展開していく―――このことへの探究心が、思い浮かべる絵をより具体的にし、より緻密にしたと思います。

ちなみに、この曲の制作過程では、曲のストーリーを共有するために短編小説も書きました。これは誰にも見せないけどっ!

こんな経緯があったので、私たちが頭に浮かべている絵をできるだけそのままの形で再現したくて、アニメーションのミュージックビデオを制作しました。
曲の持つ浮遊感と、ミュージックビデオの幻想的な世界観のリンクを感じてもらえたらと思います。

■「泡沫の空、永遠の街」MV公開


M3.世界の全ては

このタイトルを見て、「世界の全ては・・・なんなん?」って思う人もいるかもしれません。思わない人もいるかもしれないけど思ったということにしますね。

世界の全ては・・・
私たちの目の前に現れる世界は時に複雑で不可思議だけど、全ては単純な記号や数式の集合体。
それと同様に、どんな音楽も元は一音一音を積み立てたものにすぎない。アルペジオの一音一音を積み立てていくことで、それはやがて曲になる。
そんな、世界を構築していくような体験を味わいたくて作ったのがこの曲です。


M5.正しさの行方

このアルバムの中で、この曲は異質です。なんでかというと、言葉の占める比重が高く、実際歌詞の量がダントツに多いから。この曲の原型というか「元となる主張」的なものはかなり前からあったんですが、その主張は言葉としての力が強すぎて、それを受け入れられるほどの器がある曲を当時は完成させられなかったんです。でも、このアルバムの制作を始めて3人のなかでの音楽的言語が増えたことによって、ようやくその器を作ることができました。

あたまのなかに沈殿していく日常への違和感と疑念
何かが少しズレているけれど、正しさの行方はわからないけれど、それでも生きなくちゃいけない

・・・なんです。ぜひ歌詞カードを見ながら聞いてほしいです。


M10.null

この曲は、純粋にインストゥルメンタルとして、各楽器がギリギリぶつからないようにスレスレのところでせめぎ合う様を楽しんでもらいたいです。
演奏してる感覚としては、落下物や障害物を避けながらアイテムをゲットしていくゲームみたいな感じですw正確なポジション取りをして、きっちりアイテムをとっていかないと死んじゃうみたいな。
かなりシビアに進めていかないとダメですが、クリアできた時の達成感はひとしおです。
この緊張感はライブで体感してほしいです!


以上です。アルバムの主軸となる5曲について、私たちの見解を書いてみました。
まあでもいろいろ書きましたが、あくまで私たちから見たアルバムの一側面にすぎないので、自由に楽しんでもらえたらなと思います!
長々と読んでくれてありがとうございました!

by paranoid void



paranoidvoid
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